こんにちはたくみ整形外科上本町です!

「肩が上がらない」「夜中にズキズキと痛んで眠れない」 このような症状を感じたことはありませんか?
もしかすると今、この記事を読んでくださっているあなたも、まさに今その症状が出て辛い状態かもしれません。

それは単なる「肩こり」ではなく、整形外科的な疾患の可能性があります。

本記事では、整形外科専門医監修のもと、特に多くの方が悩まれる肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)や石灰沈着性腱板炎を中心に、医学的に正しい理解と治療法をわかりやすく解説します。

 

中野健一 院長の写真

監修者:たくみ整形外科上本町 院長 中野健一

資格・所属学会:

  • 医学博士
  • 日本専門医機構認定整形外科専門医
  • 日本専門医機構認定救急科専門医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 日本医師会認定産業医
 
 

 

1. よくある肩の疾患と症状の違い

肩の痛みの原因は一つではありません。以下は整形外科でよく診られる肩の疾患とその特徴です。

疾患名特徴的な症状
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)肩の可動域制限、夜間痛、服を着る動作がつらい
石灰沈着性腱板炎突然の強い痛み、肩が動かせない、炎症反応高い
腱板断裂力が入らない、挙上困難、夜間痛(高齢者に多い)
インピンジメント症候群腕を上げると痛い(特に90度以上)
変形性肩関節症加齢による関節の摩耗、動かすとゴリゴリ音がする

 

2. 肩関節周囲炎とは?(四十肩・五十肩)

肩関節周囲炎は、40代以降に多く見られ、加齢や過労、ホルモン変化などにより関節周囲の軟部組織(関節包や靱帯)が炎症・硬化することで起こります。

 

経過は3段階に分かれます:

  1. 急性期(炎症期)

    • 夜間痛が強く、少しの動作で激痛

  2. 拘縮期

    • 痛みは落ち着いてくるが、関節が固まり動かしにくくなる

  3. 回復期

    • 可動域と痛みが徐々に改善

※自然に治ることもありますが、放置すると拘縮が残るケースもあるため、早期の治療介入が大切です。

 

治療の基本:

  • 炎症期:鎮痛薬・注射・安静

  • 拘縮期:温熱療法・リハビリ

    • ホットパックや超音波治療によって関節包や筋肉の柔軟性を高めたうえで、

    • 他動的関節可動域訓練(他者による動作補助)

    • 肩甲骨のモビライゼーション(可動性向上)

    • ストレッチ指導(前方挙上・外旋・内旋など)

  • 回復期:可動域訓練・筋力強化

    • セラバンドなどを用いた肩周囲筋の抵抗トレーニング

    • 日常生活動作に合わせた動作訓練(洗濯干し・髪をとかす動作など)

    • 姿勢・肩甲骨周囲の安定性トレーニング(体幹・広背筋・僧帽筋などの協調)

当院では、各段階に応じた理学療法士のリハビリプログラムを提供しています。

 

3. 石灰沈着性腱板炎とは?

 

石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板にリン酸カルシウムが沈着し、それが炎症を起こして激しい痛みを引き起こす病気です。

 

特徴:

  • 急に発症し、夜間も眠れないほどの痛みになることも

  • 石灰の大きさ・位置により痛みの強さや症状の出方が異なる

  • レントゲンやエコーで石灰が確認可能

治療:

  • 鎮痛薬やステロイド注射で炎症を抑える

  • 温熱療法・物理療法・リハビリ

  • 症状が繰り返す場合は、石灰を穿刺吸引・関節鏡手術で除去することも

当院では、必要に応じて提携医療機関でMRIや超音波検査を行い、正確な診断をサポートします。

 

 

4. 整形外科で行う検査と治療の流れ

 

肩関節レントゲン検査画像

 

検査

  • 問診・触診・運動評価

  • X線検査:骨や石灰の有無を確認

  • エコー検査:腱板の状態、滑液包の炎症確認に有効

  • MRI(必要時):腱板断裂や関節内構造を詳しく評価

治療

  • 鎮痛薬(アセトアミノフェン、NSAIDsなど)

  • ヒアルロン酸注射、ステロイド注射

  • 理学療法:

    • 関節可動域訓練

    • 肩甲骨周囲の安定化トレーニング

    • 筋バランス調整

※当院には理学療法士が常勤しており、患者様一人ひとりの症状に応じた運動プログラムを提供しています。

 

5. 早期対応が大切な理由と再発予防

 

 

肩の痛みは「年齢のせい」と我慢されがちですが、放置すると関節が凍結したように固まり(凍結肩)、治療に長期間かかることも。

再発・慢性化を防ぐには:

  • 痛みが出たら早めの整形外科受診

  • 日常生活での姿勢の見直し(猫背や巻き肩の改善)

  • 重い荷物を避ける、スマホ・PCの操作姿勢の調整

  • 定期的なストレッチと適度な運動習慣の継続

 

6. まとめ:肩の痛みは「年齢のせい」で済ませないで

肩の痛みには、さまざまな原因があります。

  • 夜中に肩が痛くて目が覚める

  • 腕が上がらない、後ろに回らない

  • 洗濯物を干す、服を着るのがつらい

 

これらの症状がある場合は、放置せず整形外科に相談することが早期回復への第一歩です。

大阪市天王寺区・上本町エリアで肩の痛みにお悩みの方は、 整形外科専門医が診断から治療・リハビリまで一貫してサポートいたします。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

当院では、時間予約制ではございませんので、診療時間内に直接ご来院いただくか、インターネットで当日WEB順番受付を行ってご来院ください。
初診の方でも当日WEB順番受付をご利用いただけます。

詳しくは、下記、インターネットでの順番受付についてのページをご確認ください。


>インターネットでの順番受付について

 

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