こんにちは!たくみ整形外科上本町です。
「急に腰が動かせなくなった」「前かがみになった瞬間に激痛が走った」 そんな経験はありませんか?これは一般的に”ぎっくり腰”と呼ばれる状態で、医学的には急性腰痛症と診断されます。
当院にも毎週のように、ぎっくり腰の症状でお悩みの患者さんが来院されます。
今回は、本記事では、整形外科専門医監修のもと、ぎっくり腰の正しい対処法と予防策について、医学的根拠を踏まえながら、できるだけわかりやすく解説します。

監修者:たくみ整形外科上本町 院長 中野健一
資格・所属学会:
- 医学博士
- 日本専門医機構認定整形外科専門医
- 日本専門医機構認定救急科専門医
- 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
- 日本医師会認定産業医
1. ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰は、突然発症する急性の腰痛で、
重い荷物を持ち上げたとき
顔を洗うために前かがみになったとき
くしゃみや咳をしたとき といった日常のちょっとした動作が引き金になることが多いです。
医学的には「急性腰痛症」
急性腰痛症とは、明らかな外傷がなく、急に腰に強い痛みが出る状態の総称です。X線検査などでは異常が見つからないことも多く、原因は以下のような組織の微細損傷と考えられています。
筋肉・筋膜の炎症や微小断裂(筋・筋膜性腰痛)
椎間関節の捻挫や関節包の損傷
軽度の椎間板変性や突出
痛みは非常に強く、「腰が抜けたように動けない」「立ち上がれない」と感じる方も少なくありません。
2. ぎっくり腰発症直後の正しい対処法
ぎっくり腰の直後は、無理をせず、痛みを悪化させないことが最優先です。
まずは冷却と安静を
発症から48時間以内は冷却が基本:氷枕や保冷剤をタオルで巻いて、15~20分程度の冷却を1日数回
痛みの強い間は無理に動かず、「楽な姿勢」で安静にする
横向きに寝て膝を抱える姿勢(胎児位)
仰向けで膝下にクッションを入れる姿勢など
鎮痛薬の使用も有効
市販のロキソプロフェンやアセトアミノフェンなどの消炎鎮痛薬の服用は、早期回復に寄与する場合があります。
※湿布や塗り薬は冷却代わりにはなりますが、痛みを根本的に治すものではありません。
3. ぎっくり腰は動いた方が良い?安静にすべき?
従来は「ぎっくり腰=絶対安静」が常識でしたが、 近年の整形外科学会のガイドラインでは『可能な範囲で日常動作に戻す』ことが推奨されています。
なぜ少し動いた方が良いのか?
長期の安静は、筋力低下や可動域制限、慢性化のリスクを高めるため
血流の改善、関節の自然な動きの維持にもつながるため
ただし無理は禁物
寝返りや立ち上がりが不可能なほどの激痛がある場合は、無理に動かず整形外科を受診してください
動いても痛みがそこまで増さないようであれば、日常の家事や軽い歩行から少しずつ再開して構いません
4. ぎっくり腰になったとき、整形外科でできる対応
整形外科では、ぎっくり腰の原因を見極め、適切な治療を提案することができます。
問診と身体診察
発症のきっかけ、痛みの出方、過去の腰痛歴を詳しくヒアリング
神経症状の有無(しびれ・脱力など)も評価します
必要に応じた検査
レントゲン検査:圧迫骨折や椎間関節異常を確認
MRI検査:ヘルニアや炎症所見をより詳しく評価(当院では提携医療機関にて対応可能)
治療の具体例
鎮痛薬・筋弛緩薬・湿布の処方
コルセット(腰部固定帯)の処方
理学療法士による専門的なリハビリテーション
急性期には痛みに配慮した運動やストレッチ
回復期には再発予防の体幹トレーニング指導も行います
5. ぎっくり腰の再発を防ぐための予防法
ぎっくり腰は、再発しやすい疾患です。予防のためには、生活習慣と身体の使い方の見直しが欠かせません。
■ 再発予防のポイント
急な動きや無理な姿勢を避ける(物を拾うときは膝を曲げる)
体幹を鍛える:特に腹横筋・多裂筋といった深層筋
姿勢改善・体の癖の修正:反り腰・猫背に注意
腰や股関節周囲の柔軟性を高める:日常的なストレッチを継続
当院では、理学療法士が患者様一人ひとりに合った運動指導を実施しています。
6. まとめ|ぎっくり腰は早めの診断と対処で回復も早く
ぎっくり腰は、誰にでも突然起こる可能性があります。
発症直後は冷却と安静が基本
痛みが軽くなれば、無理のない範囲で少しずつ動かす
繰り返す場合や強い痛みがある場合は整形外科を受診
大阪市天王寺区・上本町エリアでぎっくり腰にお悩みの方は、 整形外科専門医が在籍する当院にご相談ください。
正しい初期対応と、再発予防のための医学的サポートを通じて、 腰の健康を長期的に守るお手伝いをいたします。
当院では、時間予約制ではございませんので、診療時間内に直接ご来院いただくか、インターネットで当日WEB順番受付を行ってご来院ください。
初診の方でも当日WEB順番受付をご利用いただけます。
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