こんにちはたくみ整形外科上本町です。
「足の親指のつけ根が、夜中に突然ズキズキと激しく痛む」…そんな経験はありませんか?
その症状、もしかすると「痛風」かもしれません。
痛風は、ある日突然激しい関節痛を起こす病気で、特に足の親指のつけ根に多く見られます。
今回は、大阪市天王寺区・上本町エリアの整形外科医が、痛風の症状や原因、整形外科でできる治療、そして再発予防のための生活習慣について、わかりやすく解説します。

監修者:たくみ整形外科上本町 院長 中野健一
資格・所属学会:
- 医学博士
- 日本専門医機構認定整形外科専門医
- 日本専門医機構認定救急科専門医
- 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
- 日本医師会認定産業医
1. 痛風とはどんな病気?
痛風は、血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続いた結果、体内に尿酸の結晶ができ、それが関節にたまって炎症を起こす病気です。
痛風発作の特徴
突発的な関節の激痛(6時間以内にピークに達することが多い)
多くは夜間〜明け方に発症
足の親指のつけ根、足背、足関節、膝、手指関節などにも起こる
発赤・腫脹・熱感を伴い、場合によっては発熱も
男性に多く、30代〜50代に好発します。
なお、痛風発作のきっかけには「暴飲暴食」「脱水」「過度の運動」などがあります。
2. 整形外科で診られる痛風の症状
痛風は炎症性関節炎の一種であり、整形外科の診療領域に含まれます。 実際に、初期の患者さんが「足の捻挫かと思った」「細菌感染ではないか」と受診されるケースも少なくありません。
整形外科では、こんなときに対応します
突然の足の激痛で歩けない
足の指や足首が腫れている
関節リウマチや偽痛風との鑑別が必要なとき
痛み止めや抗炎症薬を処方してほしいとき
整形外科では、問診・視診・触診に加えて、
血液検査(白血球数、CRP、尿酸値)
X線(関節破壊の有無)
必要に応じた関節穿刺(滑液採取)による尿酸結晶の同定 などを組み合わせて診断を行います。
3. 整形外科で行う痛風の治療
痛風の治療は、急性期と慢性期で大きく方針が異なります。
急性期治療(炎症コントロール)
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):発作の初期から投与
コルヒチン:発作初期(12時間以内)に効果的
ステロイド関節注射(穿刺後、感染が否定された場合に限定)
関節の冷却・安静:過度な負荷は炎症を悪化させます
※この時期は、尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)は基本的に開始しません。かえって発作を悪化させる場合があるため、急性期を脱したあとに検討します。
慢性期治療(再発予防)
尿酸値管理
フェブキソスタットやアロプリノールなどの尿酸降下薬の導入
食事指導・生活習慣改善の支援
整形外科では、再発を防ぐための生活指導とともに、 「痛風発作が起きたときの対処法」や「内科的管理が必要な患者さんへの紹介」も迅速に行います。
4. 痛風を繰り返さないために|生活習慣の改善が鍵です
痛風は再発性が高い病気です。 発作が1回で終わることは少なく、多くの患者さんが数ヶ月〜数年内に再発を経験します。
整形外科医として伝えたい生活習慣のポイント
プリン体の摂取を減らす(ビール、レバー、干物など)
アルコールは控えめに(特にビール・紹興酒)
十分な水分補給(1日2リットル目安)
適正体重の維持と運動習慣(激しすぎる運動は避ける)
ストレス・睡眠不足の解消も大切
定期的な血液検査で尿酸値のモニタリング
日常生活の積み重ねが、次の発作を防ぐ最大の治療です。
5. まとめ|足の激痛は我慢せず、整形外科へ早めの相談を
足の関節に激しい痛みや腫れが出た場合、それが痛風によるものか、感染や他の関節炎によるものかを判断するのは簡単ではありません。
整形外科では、炎症のコントロールはもちろん、
正確な鑑別診断
必要時の関節穿刺
他科との連携(内科・腎臓内科) を通じて、痛みを和らげるだけでなく、再発や合併症の予防までをサポートします。
大阪市天王寺区・上本町エリアで「足の激痛」「腫れが引かない」「歩くのがつらい」といった症状がある方は、 どうぞ早めに当院へご相談ください。
早期診断と適切な治療が、痛風の進行を食い止める鍵です。
当院では、時間予約制ではございませんので、診療時間内に直接ご来院いただくか、インターネットで当日WEB順番受付を行ってご来院ください。
初診の方でも当日WEB順番受付をご利用いただけます。
詳しくは、下記、インターネットでの順番受付についてのページをご確認ください。